最近、書店で「〇〇な話365」といった本をよく目にする。いくつかの出版社が365シリーズを出しているが、ウチに唯一ある365シリーズが、誠文堂新光社の「理科好きな子に育つふしぎのお話365」だ。
365シリーズは1日1つのお話が1年分365話収録されている、というのがどの出版社のものにも共通する特徴だ。「理科好きな子に育つふしぎのお話365」は2月29日の分(テーマはもちろんうるう年)もあるので、実際は「ふしぎのお話366」である。
扱うテーマは地球や宇宙のこと・植物や昆虫、鳥、魚など生き物のことがメインで、1ページ1話完結となる。全てのお話は、自然史学会連合に所属する学協会の専門家がわかりやすく解説してくれているので、とても解りやすい。すべての漢字にフリガナもふってあり、小学校低学年から楽しめるだろう。もちろん大人が読んでも「へぇ~」と感心してしまう話ばかりで面白い。
本のサブタイトルに「見てみよう、やってみよう、さわってみよう 体験型読み聞かせブック」とあるが、これは1テーマに1つ「見てみよう」「やってみよう」「考えてみよう」など体験を促すミニコラムがあるためだ。
例えば「カはなぜ血を吸うのか?」というページでは「比べてみよう」で昆虫の種類による口の違いを比べてみよう、「あまのじゃくな植物、ヒガンバナ」では「調べてみよう」で植物の冬越しにはどのようなものがあるか調べてみよう、といった具合だ。
好奇心旺盛な子どもであれば、自ら「やってみよう!」となるかもしれないが、多くの子どもは読み飛ばしてしまう…かも。
ウチではこの本を毎日の音読に使っているが、ワタシが聞く時には「やってみよう」を実際に「やってみる」ようにしている。道具が必要な場合には後日改めて、ということもある。
この「やってみよう」を実際に「やってみる」ことはとても大切で、この本の学習効果が何倍にも膨らむことを実体験として感じている。遊びながら学びが得られる体験学習は「勉強臭さ」がないうえに記憶にも残りやすいので、皆さんにもオススメしたい。
約2,500円と子どもの本としてはお高めだが、ボリュームがあるし製本もしっかりしているので納得できる価格だろう。
最後に、一つだけ残念なところも紹介したい。それは、索引がないのだ。
1度読んだあのお話をもう一度読みたい!となった時にはページをパラパラとめくって探すか、ジャンル分けもされずに細かい字でビッチリと書かれた目次から探すしか方法がなく、非常に煩わしい。
今後出版されるであろうシリーズ続編には、是非とも索引をつけていただきたい。
とはいえ、ムスメもワタシもとても気に入っている本なので、近いうちにシリーズを揃えるだろう。