本好きお姉ちゃんの影響でムスコも本が大好きだ。ワタシが休みで家にいるときは、喉が痛くなるほど絵本を読まされる。ワタシも嫌いではないので、楽しい時間ではあるのだが。
そこで、現在2歳児のムスコが「読んで」と持ってくる回数が多い(体感)ベスト3を選んでみた。どんな本を買おうかお悩みの、同じ位のお子さんがいる方の参考になれば、と思う。
さて、今回は第3位の紹介。
第3位「すてきな 三にんぐみ」偕成社
この絵本は比較的最近ウチに来たのだが、「読んで」回数が赤丸急上昇中なのである。
あらわれでたのは、
くろマントに、くろい ぼうしの さんにんぐみ。
それはそれは こわーい、どろぼうさまの おでかけだ。
こんな書き出しで始まる「すてきな 三にんぐみ」の物語。ある日、一人の女の子を盗んだことから、彼らの運命が変わっていくことになるのだが…。
夜に盗みをはたらくどろぼう達が主人公なので、全体的に暗い色合いではあるが、絵はポップなタッチで描かれている。
訳者・今江祥智(いまえよしとも)氏の言葉選びが秀逸で、子供にもわかりやすくテンポよく声に出して読みたくなる文章になっている。この本の読み聞かせは実に楽しいのだ。
さんにんぐみは かおを みあわせ、
ひたいを あつめて そうだんした。
これまでは どうするつもりも なかったものだから。
盗んだ女の子の一言から、物語が急展開する直前の部分である。この最後の1行をどう読むか(表現するか)がキーポイント。次の展開にスッと入っていけるかどうかが決まる、読み手の腕の見せどころなのだ。
「額を集める」という絵本にはなかなかない、渋い慣用句が使われているところもポイントが高い。
はじめのうちは「こわーい」と言いながら聞いているムスコも、ここからワクワクした表情に変わってくる。
結末はネタバレになるので控えるが、子供向けの絵本なのでバッドエンドにはならない。
「すてきな 三にんぐみ」がどうなったのか、ぜひお子さんと楽しんでいただきたい。